2-2、後悔しない医師の選択

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特に技術的要素の高い手術ほど、医師の選択が重要であることは、前回の話題でご理解いただけたかと思います。
今回は、どのような観点から医師を選んだ方がよいかということに絞り込んでお話したいと思います。医師育成の問題や特に自由診療の場合では商業的にも問題が起こる可能性があるため、医師自身が自分の業績を積極的に述べることは少ないでしょう。また、(医師自身の無知、技術不足や場合によっては故意で)誤った情報や紛らわしい情報を提示する場合もあるでしょうから、患者さんが正確に判断するのは実際には難しいかもしれません。
 
以下、判断材料として、大きな着眼点となる手術症例数についてお話します。
 
医師がその手術に対してどれくらい経験豊富で、最新の治療にも敏感に反応しているか、という目安の1つが手術症例数です。

「私は数千例から1万例の手術を行ってきた」
→数千例手術をしていても、植毛術は1回の執刀経験もない場合があるからです。
「私は過去に植毛術を数百例しています」
→ここ数年植毛術を全く行っていないかもしれません。特に、進歩の激しい分野の手術では、2-3年前の手術でさえ、現在の手術とかけ離れた技術である可能性があります。
「ここのクリニックは症例数が多いです」
→実際に手術を行う医師の症例数は少ないかもしれません。

私の経験から申し上げますと、植毛術を執刀医(助手や手術見学のようなものではないとする)として行う場合、近年の大量移植の時代では、せいぜい1日に1回、多くても2回が限度である(通常の植毛術は数十分で終わるような簡単な手術ではない)。医師自身の休日、学会参加日、手術除外日などを除けば、植毛専門医であっても、1年間に200-300例が限度である。私自身の場合、関西で初めて植毛専門クリニックを立ち上げて約5年が経過し、植毛術単独で、平均約200例/年で、執刀医として合計1000例程度である。私のように植毛専門の医師であっても、執刀医としての症例数の積み重ねには時間を要します。
以上の理由から、可能であれば、過去1年間の執刀医としての植毛術症例数を聞いてみるのが良いでしょう。私的には、通常は平均1回/週、年間50例ほどの手術経験が望ましいと思います。
 
ただし、経験の少ない医師でもその個人の技術レベルに応じた手術で、自身の能力を超えた高い手術でなければ、問題はないと思います。したがって、十分にその医師の手術内容を熟知の上、ご自身の責任で持って施術に同意するのであれば、当然全く問題はありません。
症例数以外の判断事項は次回にします。